2002年5月から、我が家の庭でミミズコンポストを始めました。シマミミズで生ゴミを処理しようと言うものです。最初は、春から秋にかけて庭や付近の公 園で大量に発生する草や葉っぱを処理するのに、コンポストを導入しようと思ったのでした。Webで「コンポスト」を検索すると、ミミズコンポストの方が性 能がいいヨ~ンということだったので、自然堆肥はやめてミミズを使ってみることにしました。
北海道の長瀬産業という所から、 500グラム4500円でシマミミズを購入しました。ミミズ箱は、Webにいろいろなものが紹介されていますが、私は、簡単に、大きめのプランターに網戸 のネットを張った内蓋と、木の外蓋を付けることにしました。底の穴から、滴る水分を簡単に取り出せるのと、内蓋で虫を防御しつつ外気、明かりや雨水を取り 入れられるのが長所です。
注文して数日でシマミミズが到着しました。ひんやり/ずしり。 家族は、こんな生き物とつきあえるのか、不安な様子です。
ミミズ箱(というかプランター)の底に濡らした新聞紙を大量に入れ、 その上に到着したミミズ(数百グラムの堆肥付き)を入れ、
さらに1キロくらいの生ゴミをいれて蓋をしました。 その日は、そのまま、
しばらくすると、うちから電話があって、ミミズが脱走しているとのこと。お箸でつまんで戻してあげているが、こんなこといいかげんにしてほしい様子。急い
で帰宅(仕事が残ってるだよー。実君ありがとう)
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脱走ミミズ、地面にも落ちている。 壁をはい上がるミミズ。生ゴミが多すぎ。
後日、本で調べると、始めて作った場所は、慣れない場所だから逃げ出すのはよくあることで、ミミズが新環境に慣れるまでは生ゴミは入れない方がよ い、とのこと。二日目以降は、脱走もなく、平穏ですが、特に生ゴミが消費されているようにも見えません。生ゴミは、近隣の昆虫たちの興味をひくらしく、ハ エやアリが寄ってきます。
それでも1,2週間すると、ゴミは黒くなり、やがて土になっていきます。 三日に一度くらい生ゴミを追加しました。 下の口からは毎朝ちょろちょろと100ミリリットルくらいの水分が排泄されています。 同時に、小さいミミズが混じっています。 それも、死んでいます。 ミミズ箱の底を抜け出て水たまりで溺れてしまったようです。 毎日20-30匹、確実に溺れ死んでいきます。小さい、生まれたばかりのミミズも混じっているようです。
一月ほどたち、土を掘り返してみますが、ミミズが減ってしまったように感じます。 6月の中頃には、いくら掘り返してもミミズがいません。 失敗してしまったようです。 ミミズ箱の底から逃げたミミズの総数も100を超えるでしょう。 ミミズ箱の中の土を全部出して、底に網戸の網を敷くことにしました。 これでもう、ミミズの子供が底から出てくることはなくなると思ったのですが、 より小さい赤ちゃんミミズはやはり這い出て来てしまうようです。 それで、さらに2週間後、ミミズ箱の底に、古着(シャツ)を敷くことにしました。 これなら、相当に目が細かいですし、それでいて水分は十分に透過してくれます。 これは、だいぶ効果的だったようです。 ミミズのかけらが排水口に現れることはなくなりました。 ミミズの総数は目に見えて減っていますが、 あれだけの子供がいたのだから生き延びている次世代もあるはず。。。
7月になると、第2世代のミミズが猛然と姿を現してきました。すごい数です。生ゴミをばりばり食べて(実際は、ショワシャワという音が聞こえま す)、盛大におしっこをして、毎朝、200ミリリットルくらいの排泄液を抽出できます。一日おきくらいに、500グラムくらいの生ゴミを投入しています。 堆肥がちょっとたまってきましたね。
生ゴミに惹かれて、虫がよく来ます。 アリ、ダンゴムシ、ヤスデ、ナメクジ、オオチョウバエ、ショウジョウバエが 主な邪魔者です。本によると、これらの虫の多くはミミズに害はないが、 ヤスデやムカデは要注意、とのこと。
網戸の網は、荒すぎてショウジョウハエなどは簡単に通過できてしまうようです。 ナメクジも、体を細めて隙間から通ってしまうようです。 外からの虫があまりに多いので、ちょっと対策を講ずることにしました。 まず、ミミズ箱の外側、中段に3ミリくらいの太さのひもを三重に巻きます。 これに、虫除けスプレーをかけます。 ついでに、オーストラリアから持ってきたユーカリオイルを浸します。 どちらも、人間にとってはかなりいい匂いです。 さらに、網蓋にも虫除けスプレーをかけます。 これで、1週間ほどすると、アリとヤスデの数が急激に減りました。 ナメクジも減ったようですが、彼らのライフサイクルによるものかもしれません。 ユーカリオイルにこだわる必要はありません。 普通の虫除けスプレーで十分。
そうこうするうちに、とんでもない虫を見つけてしまいました。 いわゆるウジに似ていますが、体節があります。温度が高いと活発に動きます。 光を嫌い、すぐに奥にはいってしまいます。数十はいるようです。 8月最初の日曜日に、これを退治することにしました。 ミミズ箱をひっくり返して、土をほぐし、このウジを箸で取っては捨て、 取っては捨て。50匹くらいは捕まえましたが、根絶やしにできた気はしません。
そうやって土を元に戻したのですが、ミミズ君は、気に入らない様子。
夜になると何十が脱走しています。作業中日に当たったのが気に入らないか、
土が乾いてしまったか、隙間に空気が入ったのがいやなのか? その後、数日は、排泄液も産出されません。 かなりなショックを与えてしまったようです。
ただ、この時期は、35°を越える猛暑が続きましたから、 単に暑かっただけかもしれません。
8月の10日位から、また、排泄液が出始めました。生ゴミを大量に入れたせいなのかもしれませんが、かなりな量の排泄液です。帰省していた家族が帰って、
いろんなものを入れました。腐りかけた豆腐、というのが一番の出来事かもしれません。
8月18日、クマデで掘り返すと、またもや、あの、巨大なウジ。Webで検索すると、アメリカミズアブの幼虫らしい。みなさん困っているようです。害があ るのかないのかわかりませんが、とにかく気持ち悪い。しばらくすると、ミミズが地表に出て、ミミズ箱の内側に乗っています。ミミズ箱を持ち上げると、底に は数十のミミズがとぐろをまいています。土中に潜ってしまったものもいるでしょう。要するに、ミミズ箱の中が快適でない、ということのようです。
原因は、はっきりとはわかりませんが、水分が多すぎるのかもしれません。 アメリカミズアブの幼虫というのは、その名の通り、 相当に湿った水だらけのところが好きのようです。 土を掘り返してみると、アブの幼虫が固まっているところにはミミズはいません。 逆にミミズが多いところにミズアブの幼虫はいません。 棲み分けているのか、お互いに嫌いあっているのかわかりませんが、 もう少し乾き気味にすればミズバエは困るはず。 Webのアドバイスを読むと、アブの幼虫が増えたら餌の投入を中断する、 とあります。餌を入れるとどうしても水分が増えます。
その後、つくば科学フェスティバルにミミズコンポストの展示を出している方と お話しする機会がありました。 ミミズの卵を食べたりするらしいので、 やはりミズアブは退治した方がよいということです。 容器の外側に産み付けられた卵から幼虫がかえり、 狭い隙間からでも中に入り込んでしまうので、屋内で飼うのがよいとのこと。 そうは言ってもねぇー。
10月に入って最初の週末、久しぶりに晴れたのでミミズ箱の掃除をしました。 子供と一緒に箸でつまんでミズアブを集めました。 ごみを目の前で箸でつまんでいると、まるで食事をしているような錯覚にとらわれます。 はしでうまく扱えないとき、たとえばエビの天ぷらのしっぽをはずすなんてときは、 箸だけでは思うようにいかないのでとりあえずエビを口に持っていったりしませんか? 最初は見ることもいやな存在でしたが、30分もこんなことをやっていると、 少なくとも軍手越しに指でつまむことは平気になりました。
下の写真をクリックすると動画(mpeg)も見られます。土の中では動きは緩慢ですが、箱に集めるとさすがに危機感を募らせたのか、じたばたしています。
卵胞がたくさん生まれているのに感激。それにミミズ君も太くなって色つやもいいですね。
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