こんなふうに木に掛けます。問題はどの木にかけるかですが、 実は、この木はあまりよくありません。もう少し薄暗いところ、 葉っぱが多くて、草も多いところが良いようです。 要するに、スズメバチをときどき見かけるところですね。 3月の終わりにしかけたのですが、4月の半ばまでは、蛾が2,3匹捕れただけでした。 これは、必ずしも時期によるものだけではなく、何匹か捕まると、それらが 同類を誘引しているようにも考えられます。 何せフェロモンで会話しているらしいですから。 | |
それが、4月の終わり頃から1匹、2匹と捕れ始めます。 4月の29日には5匹、5月1日には8匹(位に見えた)、次の日の夜、見てみるとごらんのように 佃煮状態。何匹いると思いますか? | |
なんと、14匹でした。
上の写真ではころころとかわいらしく写っていますが、とんでもない。
毒液と卵?ではちきれそうにふくらんだ腹、憎らしい顔、
強そうな顎、夢でうなされそうな風体です。
大きさを測ると、一番小さいのが3センチ、大きいのが5センチでした。
ただし、曲がった腰を伸ばして触覚も入れれば6センチ?!
長さも太さも親指くらいある感じです。。
色形から、オオスズメバチと推測します。
これらは、夏や秋に飛来する働き蜂より大きく、女王蜂でしょう。
すでに巣作りを始め、何個かの卵がふ化していたかもしれません。
夏には100匹以上の巣になっていたとすると、これで1400匹以上を退治したことになります。
ところで、この写真を撮るために、庭でトラップの中身をバケツに出すと、 樹液のにおいが風で広がりました。それを嗅ぎつけて、すぐに昆虫が 集まりだしたのにはあわてました。昨年の夏、子供がどこかでカブトムシを何匹か捕ってきました。 ひとしきり遊んだ後、逃がしてやることにしました。窓を開け放つと飛んでいきましたが、 次の日にこのスズメバチほいほいを見ると、カブトムシが何匹か紛れていました。 逃がしたはずが、こんなことになってしまってと、子供はしょげていました。 効き目抜群ですのでお気をつけください。 |
|
上のように、5月3日の午前にトラップの掃除をし、中にまた誘因液を入れて
もとのように木にかけました。お昼過ぎに、まさかまだだよねー、と思って
見ると、すでに2匹新たに入っていたのには驚きました。
4月29日に同じトラップを子供の通学路の近く、昨年スズメバチを見かけたあたりに も仕掛けました。3日ぶりに見に行くと、やはり3匹かかっていて、一つはまだ入ったばかり らしく、もがいていました。ほんの一週間ほどの間に、14+2+3=19匹の戦果ですね。 夏から秋にかけて、ハチの被害が多く報告されます。スズメバチの巣を取り除くのに まさに命がけの苦労をなさっている方の記録も目にします。このトラップは、ほとんど 危険はなく、費用も時間もかかりません。ハチで困っている方は、是非、5月中に しかけることをお奨めします。 |
|
結局、5月3日に3匹、4日に2匹、5日に1匹、6日に2匹、7日に1匹、という具合で連休中に合計9匹がトラップされました。その成果が右の写真です。4.5センチ以上の女王蜂とおぼしきのが5匹、色は同じですが小型のものが4匹です。こんなにとれると、オオスズメバチはキイロスズメバチの天敵と言うことですから、ちょっと心配です。
ところで、私、松井は、女王蜂は人を攻撃しないのではないか、毒針は持っていないのではないか、という仮説を抱いています。女王蜂は、コロニーに一匹だけの虎の子、危険な目に遭うのは得策ではないはず。いくらスズメバチが強力だと行っても、熊や人間に一匹で刃向かったのでは、たたき落とされ踏みつぶされる確率が高く、苦労して越冬した意味がない。そういう危険なことは、巣が大きくなって戦士が養成できてからでよいはず。それに、腹一杯に何万個もの卵をかかえており、ただでさえ飛翔力は劣るはず。毒針まで持つのは大変。そもそも毒針は、産卵管が変化してできたもの。働き蜂は産卵しないので、その器官を毒針にするのはよいが、女王蜂が産卵管も毒針も持つというのはぜいたくというか、合理的でない。というわけで、この時期のスズメバチは、図体はでかいが、危険はないのではないか、と推測します。試してみるのはいやですが。。。 |
|
いやぁ、まいりました。7日の夕方近くに誘因液を入れ替えて、木にかけておいたら、次の朝、また数匹かかってる。8日の夜にはさらに数匹。9日、10日、毎日2,3匹ずつ増えていく。
11日の夜に見ると、2匹くらい、生きたまま入っている!誘因液にただよう死骸の上に乗っている。誘因液は基本的に糖分なので5月の程良い気候で発酵し、アルコールとともに発生した二酸化炭素の泡が死骸を浮かび上がらせている。スズメバチ酒??困った。
そういえば、子供の小学校にも、この「すずめばちほいほい」をしかけておいたのです。通学途中に刺されたという話も聞くので、授業参観に行った帰りにしかけておいたのです。それが、「いっぱいになって中で飛んでる」、というのです。小さい子供がいたずらしたら大変なので、次の朝一番に回収に行きました。確かに、30匹くらい捕獲されてました。2週間くらいですから、1日2匹の計算です。やはり死骸の上に3匹くらいは生きていて、ボトルをゆするとぶんぶんと羽音をたてる。入り口をガムテープで塞いで、袋に入れて持ち帰りました。 中で動き回るスズメバチの下の死骸のいくつかには、食い散らされた跡があります。生きているハチどうしは、ときどき牙をむいて争っています。しかし、どうやったら死んでいただけるのでしょうか。水を足したのですが、浮かび上がってきます。あけてびっくり53匹。 教訓:誘因液は多めに入れましょう。蒸発して減ります。 1週間くらいで回収しましょう。たくさん捕れすぎると生き残って始末に困ります。 |
|
結局、この一週間では、96匹を捕まえたことになります。右の写真は、そのうちの78匹です。首をかじられているものもあります。それから、おしりからどんよりした袋をぶらさげているものがありました。卵ではありません。袋を破るとちょっと黄ばんだ液体が流れ出ました。毒液かも知れません。だけど、針のようなものは見えませんでした。 | |
その後、雨続きで捕獲数は減りました。何せ、1キロ四方くらいで総数100匹以上、それも7割方女王蜂ですから、取り尽くしてしまったかの感もあります。
近くの方から、やってみたいが、捕まえたハチはどうするのか、ガソリンをかけて燃やすのか、というような質問をもらいました。十分な量の誘因液が入っていれば、ハチは数時間で溺れ死にます。毒も薬も必要ありません。(毒はおまえのおなかにあるだろ!)捕れすぎると死骸がぷかぷか浮いてしまって、終盤に捕まったハチは、死骸を食いながら生きながらえてしまうというのが唯一の問題です。結局、中にキンチョールを3秒ほど噴霧して、入り口をガムテープで塞いでおいたら1時間ほどで死んでくれました。いや、実は弱っていただけで、後から息を吹き返したのであわてました。 さて、では次にこの死骸の山をどうするのか。私は、基本的に穴を掘って埋めました。埋葬と呼べるかも知れません。ゴミとして出すのは、収集業者もびっくりするだろうからやめたほうがいいでしょう。 |
捕獲数一覧
オオスズメバチ女王+その他のスズメバチ=総数
括弧付きは回収しないで数だけ数えたもの
栗の木の下 | 庭木 | 公園 | 通学路 (歯科医そば) |
竹園東小学校 | 総捕獲数 | |
4/20-5/3 | 11+3=14 | 0 | 0 | (3) | ? | 17+? |
5/3-5/7 | 8+6=14 | 0 | 0 | ? | ? | 14+? |
5/7-5/13 | 12+13=25 | 0 | 2+4=5 | 4+12=16 | 43+10=53 | 96? |
5/13-5/21 | 2+2=4 | 0 | 0+1=1 | 5 | ||
5/22-6/3 | 1+1 | 0 | 2+4 | 8 | ||
6/3-6/10 | 3+2? | 5 | ||||
6/10-6/24 | 3+1 | 20+15=35 | 39 | |||
6/24-7/1 | 3+4 | 7 | ||||
7/1-7/25 | 5? | 5 |
5月後半は雨が続いたせいで活動が鈍っていたかも知れません。しかし、竹園東小学校の木の下でこんなに大量に捕れるというのは驚きです。学校の近くに巣が作られているとすると、秋には事故が起きるかも知れません。栗の木の下では継続的に捕獲が続いています。 6月に入ると、栗の花めがけて、ハチが集まってくるようです。同時期には、近くでカッコウが鳴き、アカゲラ?が木をつつく音も聞こえます。
6月の半ばからは、小型のスズメバチの捕獲数が増えます。小さいのは2センチ内外なので、オオスズメバチの女王ではありません。女王はすでに巣にこもって産卵に大忙し。春先の栄養が十分でない時期に育った働きバチが餌集めをしている。別種のスズメバチかもしれません。同時に、蛾とカナブンの捕獲数が増えました。(蚊は捕れません)。
7月になっても相変わらず捕まります。カナブンもどんどん捕まります。外国出張があって整理できない間に暑い日が続いて、帰ってみたらカナブンだらけで底の方のスズメバチはよく見えません。少なくとも5匹はいると思いますが、正確な数はわかりません。さらに1週間後にのぞいてみるとハエのウジがぁぁ。。。どひゃあ、こりゃスズメバチよりこわいくらいだ。あわてて穴を掘ってトラップごと埋めました。