さて、こんなトラップを作った目的は、秋に都市郊外を徘徊して人を襲うスズメバチの数を減らし、危険な災害を避けることでした。本当にその効果はあったのでしょうか?またその副作用として別の種類のハチや害虫が増えることはないのでしょうか?
定量的なことは何も言えませんが、2000年の秋、我が家の周囲のスズメバチ、子供の通う小学校の近辺ではほとんどスズメバチを見かけなくなりました。今まで風聞で聞いていたこのあたりでのスズメバチ被害の噂も聞かなくなりました。昨年までは、ほとんど毎日のように飛んでいましたので、確かに数は減ったのだと思います。
ものの本には、オオスズメバチは、秋にキイロスズメバチの巣を襲うように書かれています。オオスズメバチが減るとキイロスズメバチの数が増えてしまう可能性があります。しかし、私が知る限り、この周辺でキイロスズメバチが目立って増えたようには見えないどころか、この秋はキイロスズメバチには一回も遭遇しませんでした。春に捕まえたスズメバチの中の、小型のものはキイロスズメバチの女王だったのかもしれません。オオスズメバチもキイロスズメバチも、一網打尽にしていて、その後の両ハチの発生を抑えられたのかも知れません。他の昆虫はどうか?うーん、はっきり言って今年は特に蝉が多くてうるさかったように感じます。蚊は相変わらず多いし。関係ないでしょうか?
スズメバチを全く見かけなくなったわけではありません。たとえば、私の職場は家から4キロメートルくらい離れていますが、そこではときおりオオスズメバチが徘徊しているのを見かけます。職場周辺にはスズメバチトラップを仕掛けませんでした。 来年、2001年の春に、同様なトラップを同じ場所に仕掛け、捕獲されるオオスズメバチの数を数えてみれば、実際に数が減っていたのかどうか、もう少しだけ定量的な報告ができるだろうと考えています。
ひどく話は飛ぶのですが、一日に100kmを飛ぶスズメバチのエネルギーにあやかろうというのでVAAMという飲料が売り出されています。体脂肪を燃やすのだそうです。私は、ランニングを趣味にしているので、試してみました。うーん、よくわからんけど、元気になったような気がします。しっかし、まずいぞ、これは。それにしても、スズメバチが100キロも飛ぶというのはほんとうでしょうか?オオスズメバチの行動範囲は、せいぜい半径2−3キロメートルと聞いています。一日に50往復もするんですかね?
2001年、またもやオオスズメバチの女王が徘徊する季節。 4月中旬にトラップをしかけました。 2週間ほど、何事もなかったのですが、5月3日に開けてみると、 女王らしき大型が3匹、小ぶりのスズメバチが1匹という戦果でした。 同時期に10匹以上捕獲できた昨年のほどの活況がないのは、 捕獲の効果が上がって越冬する女王蜂の数が減ったからでしょうか。 | ||||||||||
次の週、5/5-5/12は、 誘因液をグレープカルピスに取り替えました(ちょっと高いですね)。 2カ所にしかけたトラップを土曜日12日に開けてみると、小ぶりのスズメバチ8匹、 巨大なジョオウバチが2匹でした。 今週は、雨も降りましたし、涼しい日が多かったのでスズメバチの活動は そんなに盛んでなかったかもしれません。 それにしても、昨年に比べると半分以下になっているようです。 | ||||||||||
5/13-6/1まで約3週間に、オオスズメバチの女王が2匹、小ぶりのスズメバチが2匹 というありさまでした。もう取り尽くした感があります。 子供が中学校までの通学路でオオスズメバチを見た、というので、うちのトラップを はずして、新しい誘因液を入れ、学校近くの茂み2カ所にしかけました。 見るからにスズメバチがいそうなところでした。 | ||||||||||
次の日、通りかかってみると、すでに一匹がトラップされて もがいていました。1週間後に回収すると、 右の表のような成果でした。松見公園では、一匹は他の死骸の上で 生き続けていました。 |
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