静かなホームサーバー 

その5: UPSバックアップ

2004-7-4

夏場の心配

サーバーの運用にとっては、夏が心配です。 冷却に気を遣うほか、雷や台風による停電、契約電力オーバーによる停電があります。 雷の到来は予見できるので、予防できなくもないですが、 運用責任者(自分)がサーバーのそばにいないときに起こる可能性大です。 うちの契約電力は十分でなく、クーラーをつけたり、 電子レンジや炊飯器を使うたびにひやひやします。 このごろは、ホームサーバーにけっこう量の情報が蓄積されてきたので、 ディスクがとんだりしたら相当なダメージで、 みんな不機嫌になりそうです。

UPSの導入

Powercom のWOW-300という、大きめのテーブルタップのような形をしたUPS.を購入しました。powercomのホームページにあるKOS-300Fというのがこれに近い。きっと日本のメーカーが出力が100V になるような変更を加えたのだろうと推測します。2004年7月時点で9000円ほどでした。仕様では、300VA または165Wのバックアップが可能なほか、1000W (3口)の出力のサージ保護ができるようです。コンピュータとはシリアルで接続して、シャットダウンさせることができます。重さは2キロあります。内蔵の電池は、シールド鉛蓄電池で、6V, 4.5Ahのようです。ノートPCの電池に比べると大きくて重いですが、ずっと安いですね。Thinkpad X40 の大容量バッテリーは、14.4V 4.3AHとパワーは2.2倍くらい、 値段は5倍くらいします。 電池の容量からは300W出力で持続時間は5分ですが、 実際はDC-ACの変換ロスが加わりますから3分くらいでしょう。 150Wで5分くらいでしょうか。 ブレーカが落ちただけなら、2,3分で復帰させることは容易です。 停電が長時間に及びそうな場合は、2,3分でshut-downさせることになります。

この300VAと165Wの違いは何なのでしょうか? 説明書には、VAの6割がW表示である、なんてわけのわからないことが書いてあります。 だいたい、300の6割は、180です。 サンワに同様の製品で、250Wのものが13500円でしたから、 お買い得な商品だと思います。

負荷は大丈夫?

WOW-300には、UPSMONという、電源状態のモニター兼異常時のシャットダウンをするソフトウェアがバンドルされています。下のようなウィンドウを表示します。入力電圧が低いですね。負荷レベルは、300VAが100%なのだと思われます。入力周波数、出力周波数は、電源がつながっていると同じでしょうね。バッテリーは、初めてつないで、2時間くらいの状態です。



こうやって負荷の監視ができるのはとても便利です。EPIAのサーバーをつないだだけでは、わずか5%の負荷でしかありませんでした。Celeron-2.4GHz のWindowsマシンを2番目の口につないだのが上の状態(負荷50%)です。このときは、CPUは何も計算していない状態です。ためしに、super-pi を走らせてみると、負荷は、69-73%くらいに増大しました。これはおもしろい!電源の監視に使えると言うことは、発生する熱の監視にも使えるわけで、これでファンを制御する方が遅れが少なく、したがって制御ゲインも小さくできますね。

ものは試しと、CRTモニタを三つ目の口につないでみました。すると、CPUがアイドルの状態でほぼ100%の負荷になりました。ということは、何か計算を始めると過負荷になってしまいます。CRTのバックアップはあきらめることにしました。CRTではなく、LCDだったら可能性はあります。停電になって、なかなか電力供給が復旧しないときは、とにかくサーバーにログインしてシャットダウンをしないと危険なことになります。しかし、ディスプレイに電力が来ていないと作業ができません。うーん、と考えて、そのときはネットワーク経由でノートパソコンからログインすることにしました。実は、ノートパソコンは、常にバッテリーバックアップされていて、ディスプレイが一体化しているので、サーバーとして最適です。停電時にリモートからログインするために必要なネットワークスイッチの電力も、もう一つのバックアップの出力で面倒みることにしました。

Windowsに火を入れるのは、 週末か深夜だけなので、ほとんどは、Linuxサーバーだけです。 5%負荷ですから楽勝です。 負荷が軽い場合は、2時間くらいのバックアップができると書いてあります。 そんなに長時間の停電があると、電車で帰宅もままならず、 バックアップの意味がないことになります。 Windows用には、UPSMONがシャットダウンをしてくれますが、 Linux用のソフトはありません。 シリアルポートに何が送られてくるのかわかればshutdown を呼ぶスクリプトはすぐ書けそうですが。

ちゃんとバックアップしてくれるの?

負荷50%の状態、すなわちWindowsとLinux サーバーがつながった状態で、 UPSの入力電源を抜いてみました。 ピーとブザーがなりますが、2台のコンピュータはそのまま動いているようです (モニターが消えるので実のところはわからない)。 電源を戻してモニターを見ても、何事もなかったかのようです。 停電が待ち遠しい気分です。 ついにその日がやってきました。 家中が真っ暗になり家族の悲鳴が聞こえます。 家内は自分のWindowsが落ちてしまったので泣きそうです。 しばらくして復旧しましたが、サーバーは何事もなかったように 動いていました。


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