1年前にLynskey R260を組み立てました。できあがり、乗った感じは、とてもいい感じです。金属むき出しなので、無線のアンテナを付けて、筑波山に登っては自転車モービルを楽しんでいます。
老い先長くもないので、もう一台作ることにしました。電動コンポはすでにやったので、残るメインテーマは、ディスクブレーキです(これをやりきると、次はリカンベントとタンデムだな)。自転車のフレームを買うというのは、なかなか難しいのです。たとえばここを見てください。8月ですでに完売です。フレームから組み立てるのは相当のマニアなので、そんなに数がでないのでしょう。Panasonicは、いろいろなサイズと色をそろえていますが、基本的に全部受注生産だと思います。届くまでに時間がかかります.Chainreaction.com では、今年2019年も,Lynskeyのチタンフレームを50%引きとか安売りしています。R260が良かったのと、組み立て方がわかったので、同じくLynskeyのディスクブレーキタイプを探すことにします。ところが、chainreaction では、Lynskey のフォークを扱わなくなったようです。フレームを探すのも難しいですが、フォークを探すのはもっと難しい。選択肢がないのに、Lynskey の大径フォークに合うのはもっと少ないでしょう。Lynskeyは、専用のカーボンフォークも売っていて、ちょっと高いですが、使ってみたところ、すこぶる高性能。それで、Lynskey のWebサイトに行ってみたところ、なんと、都合がよいことにLynskey 自体が、R270 を大幅値引きしている上に、フォーク、ヘッドセット、シートポスト、ステムを付けたパッケージで売っています。$3,480 が、$1,350。送料も世界中無料。これはいい!ということで、本家Lynskey から買うことにしました。
LynskeyのWebサイトに行って、とりあえずパッケージをカートに入れましたが、購入のクリックはしないでおきました。サイズやら、ほかのsportiveなどの製品も気になっていたからです。sportive diskは、$2,850 が $800 とめっちゃ安い!そうしたら、3日とおかず、LysnkeyからEmailが来ました。カートに入ったままになっているが、今セール期間中なので、Industrial Mill Finish ($130) をただで付けるが、買ってはどうかと。人の買い物かごの中を見ないでほしいなあと思ったけれど、まあ、それもあって決心しました。期限を数日過ぎていましたが、ただでIndustrila Mill Finishを施してもらえることになりました。
ところで、Lynskey のこの割引率は異常ではないでしょうか。生産能力が倍に上がったのでしょうか?溶接の品質を落としたのでなければいいのですが。
ロードバイクのブレーキが、急速にリムブレーキから、ディスクブレーキに変わりつつある。1970-80年代に、自動車のブレーキが、ドラム式からディスク式に変化した。ディスクの方が熱を放散させやすいので、vapor lock しにくいからというのが大きな理由だった。ブレーキは前輪を強力に効かせるので、前輪ブレーキの方が熱を持ちやすい。前輪が、全部ディスクになった後、高性能車は、後輪もディスクになっていった。自動2輪も、今や、全部ディスクである。
カーボンリムでなければ、自転車のブレーキの放熱が問題になることはない。カーボンリムの自転車は、ディスクブレーキが必須になるだろう。 アルミのリムであれば、放熱は問題にならない.ディスクの長所は、雨やゴミに強いことだろうか。効きはよくわからない。 がつんと効くのではなく、コントロールしやすくなるように書いてある記事が多い。ホイールを簡単にロックさせられるほど制動力が強力になっても困る。 デメリットは、重くなること。それにワイヤと違って、ブレーキオイルは、扱いが難しそうだ。
ディスクブレーキには、ワイヤ式と油圧式がある。Lynskey R270 はどちらも受け付ける。蛇管との摺動が発生するワイヤ式より油圧式が良さそうだ。 取り付け法には、フラットマウントとポストマウントがある。R270は、主流のフラットマウントだ。 エンド幅は、リム式の130㎜から142㎜に拡大されている。クイックレリースのアクスルが、スルーアクスルと呼ばれる12㎜の太いシャフトに代わっている。 フォークへのホイルの取り付け精度が問題になるからだ.フォークには、ネジが切ってある。フロントは、100㎜で変わらず。ローターの固定方式は、ローターとホイールで合わせる必要があるが、センターロック式が良いらしい。 ローター径は、140㎜から20㎜刻みで200㎜まであるようだが、大きいのはMTB用で、ロードには140か160㎜のようだ。前輪を160、後輪を140㎜としよう。
センターロック式ホイール。 アクスルが太い。 |
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ホイールのぎざぎざとかみ合う | |
右に回るような模様をしているが、左に回る。直径140㎜、後輪用。 | |
直径160ミリ、前輪用。 |
Lynskyは、フレームだけでなく、フォーク、ヘッドセット、シートポスト、ステム、ハンドルのスペーサ、予備のディレーラハンガをセットにして販売してくれる。フィットする部品を探す手間が省ける。フォークはカーボン、ヘッドセット(ベアリング)はスティールだが、他の部品はチタンだというのがうれしい。チタンのシートポスト、ステム、スペーサなんてまずお目にかかれないからね。
7月の25日頃、発注したら、すぐにEmailで返事が来て、8月9日には商品がそろって送れるということだった。readyになったら連絡するとも。ところが、12日になっても連絡はなく、こちらから問い合わせてもなしのつぶて、そうこうするうちに、製作期間に当てるつもりだった夏休みが終わってしまった。8月20日頃に今から送るとの連絡があり、25日頃に届いた。
フレームが届きました。ホイルにはタイヤを取り付けました。 これでも全部ではありません。 |
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すべての部品を取り付けた後、大量のごみが出ました。 梱包が過剰だと思います。段ボール箱は、ホイールが 入っていた箱です。 |
次の表にそろえたパーツの一覧を示す。パーツはシマノ105とultegraを取り合わせた。
パーツの選定がうまくいけば、組み立ては楽になる。互換性のないものを選んだりすると、買い直しなど、ひどいことになる。単品では決められない。ホイール、ブレーキディスク、ブレーキ、ブレーキホース、デュアルコントロールレバーなどは、互換性のあるものを選ばなければならない。この表には、後述するが、いくつか問題がある。
フレームがなかなか届かないので、その間にできる部分から組み立てる。まず、車輪周り。
ホイルは、ディスクブレーキ対応、チューブレス対応にする。シマノWH-RS770-C30 が、前後で67,000ほど。昔は、ホイルの選択は、素材とリムハイトくらいのもので、何を選んでも互換性の問題はなかったが、今はまず、リムブレーキか、ディスクブレーキかで互換性がないし、ギアの段数も違い、もちろんカンパかシマノか決めなければならないし、チューブレスかクリンチャーを選ばなければならない。さすがにチュブラーはないよね。結局、シマノ、センターロック式ディスクブレーキ、チューブレスタイヤ、11速で選ぶ。ググった感じでは、シマノRS770は、ほとんど唯一の選択肢のようだ。高級ホイールはいろいろあるようだが、これ以下の価格帯は何か犠牲になる。
タイヤは、IRCロードライト、チューブレス700x25c。チューブレスは、もう10年以上愛用している。クリンチャーでは、頻繁に起こるパンクに辟易していたが、チューブレスになって非常にパンクしにくくなった。パンクすると修理しにくい問題もあるが、実際は軽傷で済んできた。ただ、タイヤの装着、取り外しがむずかしい。今までに10本以上付け外ししてきて、だいぶ慣れた。
RS770とIRCロードライトの組み合わせは、初めてだが、取り付けは比較的簡単にできた。25のタイヤは、23にくらべて厚くて堅いのだが、ビードをセンターに落とし、たっぷり石けん水を使うことで、すんなり装着終了。ところが、その後の空気入れでビードが上がらない。前後とも、ビードが上がりにくい。悪戦苦闘の末、ビードが上がったが、今度は、空気の抜けが激しいことに気がついた。2-3日で、へなへなになってしまう。さらに、石けん水を使いすぎて、チューブの中でぽちゃぽちゃ言っているのが聞こえる。水分が多いと、さびが出そうなので、いったん空気を抜き、さらにホイルをあちこち傾けて、水を抜く。石けん水が乾くと、粉になるのではないか。そうすると、タイヤのゴムとホイルの間に隙間を作ることになるのではないかという心配もある。さて、水を抜いて、再度空気を入れようとするが、またもやビードが上がりにくい問題に悩まされる。それでも、後輪はなんとかなったが、前輪は、全く空気が入らない。いろいろやってみた。まず、バルブコアを抜いて、気道を広げて空気を入りやすくする。確かにすこすこと空気は入るが、抜けて行く量に勝てない。次に、炭酸ガスボンベを使って、一気にガスを送り込む。2本を費やしたが、全く効果なし。次に、タイヤとホイルのつなぎめにビニールテープを貼って、空気の抜け道をふさぐ。両側やったが、やはりだめ。どこから空気が抜けるのかと、水の中に入れてみる。テープを貼った隙間からも抜けるのだが、何と、スポークの付け根のニップルからも抜けている。これではビードが上がらないはずだ。タイヤを外してみると、リムの中に巻かれたリムテープが波打って乱れている。スポークの穴は、アルミのテープも貼られているが、はがれているところがある。とにかく、リムの内側がぐちゃぐちゃになっていて、すーすー空気が抜ける状態だった。これではチューブレスとしては使えない。テープを貼り直せばよいかもしれないが、アルミのテープは入手できないし、リムテープも隙間なく貼るのは難しい。それで、チューブを入れて、クリンチャとして使うことにした。タイヤには、チューブレスタイヤをそのまま使う。はめにくいし重くなるが、もったいないからね。そんなことで、2日かかってしまった。
後輪のカセットスプロケットには、Miche のシマノ用11速を使うことにする。シマノのスプロケットは、11-28t とかがよさそうだが、高速側は12t で十分で、11t なんて使わないことが明白。その点、Miche の12-29t などは、低速側、ヒルクライム重視でちょうどよい。すでに1つ使っているが、変速性能に問題はない。29tも極端だと思う。やはり、カンパで慣れた12-27t がちょうど良いのではないか。
ディスクブレーキは、ディスクと、それを挟み込むパッドをドライブするブレーキ本体、そしてハンドルに付けるブレーキレバーの3つが必要。間をつなぐケーブルや油圧ホースは、ブレーキレバー(デュアルコントロールレバー)に付いてくる。ケーブルと油圧は、当然おもしろそうな油圧を使う。ブレーキ本体とコントロールレバーは、ワイヤでも油圧でもどちらでも行けるように作られている。ホイールに付けるのは、ディスクだが、他の2点は、もちろんシマノでそろえる。ブレーキディスクは、直径が何種類かある。MTB用には、180mm, 200mm と大きなディスクが使われるようだが、ロードは、140mm, 160mm の2種類が主流だ。大きい方がストッピングパワーは強くなる。究極に直径が大きいのは、リムブレーキなのだが、不思議なことにリムよりディスクブレーキの方が効くことになっている。MTBのような大きなディスクを付けると、制動力が強すぎて使いにくいとも書かれている。とにかく、ロード用には、140mm か, 160mm の2種類しか付かない。前輪は、制動力を高めるため、160mmを使うことにする。後輪は、弱くて良いので140mm にする。両方ともセンターロック式。これは、ホイールの規格で決まる。
ホイールをフレームに取り付けるのに、リムブレーキ車では、クイックハブを用いるが、ディスクブレーキ車では、もっと太いアクスル(車軸)を使う。ホイルの脱着は可能だが、クイックハブほど短時間では作業できない。しかし、車輪のフォークへの取り付けは、アクスル方式の方が高信頼性である。穴の位置がずれることがない。
Miche のシマノ互換カセット最小が12,最大が29とシマノより幅広く低速向き。 ディレーラの容量が足りないことになった。 |
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後に空気が空気が漏れることが判明。中にチューブを入れて、ただのクリンチャにして使用。 |
8月の終わり、フレームが、フォークなどと一緒に届いた。前回のR260は、標準のつやけしサテン仕上げの銀色のフレームに、デカールでLynskeyと黒い文字が入っていたが、今回は、光沢のあるミリングマシン仕上げにアノダイズで青い文字が描かれている。ミリングマシン仕上げは、$130プラスになるが、今回は無料でやってもらえた。アノダイズというのは、酸化膜を付けることらしい。ヘッドバッジも青いのにしてもらったら、$100かかった。
フロントフォークの直径は、太いタイプ。マッチするヘッドセットを一緒に注文してある。前回はこれで苦労した。一番直径の大きいベアリングをフォークに打ち込む。フレームのトップチューブのボトム側に、対応するベアリングを置いて、フロントフォークをヘッドチューブに挿入。上側にもベアリングを置いて、ふたをする。スペーサを置いて、ステムを取り付け、プラグを入れて締め付ける。ステムは、Lynskey純正のチタン製。
R270 フレーム。R260とどこが違うのか? MLサイズは、身長173.5センチには、ちょっとだけ大きすぎる。 チェーンステイの後輪側に、ディスクブレーキ・マウントが溶接されている。 |
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これがけっこう高い | |
BB取り付け部 なかなか見えない場所 |
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付属のCane creek製ヘッドパーツ。$40 | |
チタン製のステム、80mm | |
ハンドルは、カーボン製を選択した。チタン製というのは聞いたことがない。Amazonで4000円以下でした。ケーブルを通す穴があいている。2本通すのは、難しかったが何とかできた。ハンドル周りがすっきりする。手前の握り部分は、風の抵抗を軽減する、平らな形になっている。テープは、長さが足りなくて巻けないので、握りにくそうだが、意外と大丈夫。ドロップ量は小さ目かな。
シートポストは、Lynskeyのチタン製を購入。ポストが非常に長く、足の短い私は、2-30㎜上に出すだけです。サドルの取り付けと角度調整は、摩擦が大きいので、あまりやりやすくありません。
サドルは、AmazonでVelo Sonso Sports https://www.amazon.co.jp/gp/product/B008F3M22I/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o07_s01?ie=UTF8&psc=1
を買いました。安いですが、良品です。
Lixada 超軽量 フルカーボン ロードバイク ハンドルバー クランプ径:31.8mm |
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まだ仮止め状態。 | |
これもLynskeyチタン製のシートポスト。直線型と後ろにテイクバックしているタイプの2種類がある。 |
前後とも、Ultegraにしました。リアディレーラの容量が足りませんでした。RD8000-SSは、ロースプロケット最大30TT、最小25T、最大フロント差16T、トータルキャパシティ35T となっています。トップスプロケットは、11-14Tです。この自転車は、ロースプロケットが29で、トップが12、フロントが50-34Tで16T差、トータルキャパシティは、(29-12)+(50-34)=33T ですからぴったりのはずです。が、うまくいきません。
こういうスタンドで組み立て、調整できると 楽にできます。 |
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RS505
取り付け方が難しかったです。 | |
ブレーキチューブとシフトワイヤの2本を通します。 狭い穴なので、かなり大変です。ピンセットで引っ張り出すか、曲がった六画レンチをチューブに引っ掛けて取り出すと良いでしょう。 |
ディスクブレーキをフレームに取り付けるのは、パッドを挟んで、140mm と 160mm を間違えないようにフレームにネジ止めするだけ。フロントブレーキは簡単だったが、リアは、ネジの長さが違っていた。チェーンステイに取り付けるのだが、チェーンステイの厚みがシマノの想定と異なるようだ。短めのネジを買ってきて間に合わせたが、今度は、ストッパーが付かない。ネジが緩んでも、脱落しないようにする安全弁だが、やむを得ず省略。その代わりにスプリングワッシャを入れて緩みにくくしておいた。2本のスクリューで取り付けるのだが、均等に締めて、ブレーキディスクの入る隙間がブレーキディスクと平行になるようにする。ずれると、ディスクがパッドに擦れる。
そうやって、フレームにブレーキを取り付けるのだが、ブレーキホースを取り付けるために再びはずさなければならないかもしれない。ブレーキホースの長さの調整が、かなり難しい。ワイヤ式の場合は、長めにして、数センチ余らせて切ればよいが、油圧式ブレーキホースでは、長さはぴったりにしなければならない。ワイヤでは、間に入るスリーブ(チューブ)の長さで好きにできるが、ホースは、一本で継ぎ目がない。さらに、もし失敗した場合、新しいホースを買ってきて、やり直しになる。デュアルコントロールレバーの位置を決めておかなければならない。私の選んだハンドルは、内部にホースを通すようになっているが、片方から入れて、他方から取り出すのは、なかなか難しい。通した後で長さを決めてオリーブを取り付けるが、二度とやり直したくないですね。ブレーキホースとオリーブのセットは、2000円くらいします。
ブレーキホースは、端点にインサートを差し込み、ホースの周囲からオリーブで覆う。インサートとオリーブとは、図のような銅製の部品で、デュアルコントロールレバーとブレーキの本体にそれぞれ差し込んで、ネジで締め付けると変形して、ホースに食い込むと共に中央部が広がって漏れなく接続される。
ホースが接続されたら、オイルを注入する。オイルは、ブレーキに付属してくるが、知らずに余分に買ってしまった。オイルを注入する注射器とじょうごなどは買う必要がある。1000円くらい。
やり方は、まずブレーキレバー側にファンネルを取り付ける。ブレーキのブリード口にオイルを入れた注射器を取り付け、ブリードスクリューを1/8回転緩めて、注入口から注射器でブレーキオイルを注入する。やがてファンネルにオイルがあふれ出すが、気泡が出なくなるまでさらに注入して、ブリードスクリュー(ネジ)を締める。注射器の代わりに、オイルを受け取るビニール袋をチューブでつなぎ、ブリードスクリューをまた少し緩める。こうしておくと気泡が抜ける。ファンネルの液面が下がりすぎたらオイルを足す。泡が入らないようにブレーキ側の口に栓をする。ブレーキを締めてはブリードスクリューを少しの間だけ開ける。するとさらに気泡が抜けるらしい。数回操作すると、泡が抜けてブレーキオイルが染みわたり、ブレーキレバーがちょっと堅くなる。その後、ブリードスクリューを締め、ファンネルを外してふたをする。面倒だが、そう難しいことでもない。オイルが漏れてあちこち付かないように注意。
ブレーキオイルブリーディングに使う道具セット 1000円ほど。 |
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ブレーキホースの末端処理に使うインサータとオリーブ オリーブって何?O-ringとsleeve だろうか? |
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ブレーキ本体にホースを取り付けたところ | |
後輪のハブ周り,チェーンステイとシートステイの接合部には,一種のラグがあって,両方のパイプと溶接されている.このラグが異常に分厚いのに気がついた.ノギスで計ってみると,厚さ8mmある.1年古いタイプのR260を計ると,6mmであった.6mm でもかなり厚いと感じる.力が集中する場所かもしれないが,スポークの細さやスプロケットの薄さと比べると過剰な強度なのではないかと思えてくる.
なぜか?古いタイプで強度不足が発覚したのか? いや,年式の違いではなく,リムブレーキか,ディスクブレーキかの差から生じたのだろう.ディスクブレーキ(パッド側)を取り付けるのに厚さと強度が必要なのだ.
しかし,この厚さは,ホイールのエンド幅を決めているので,標準規格があり,勝手に薄くすると,ハブアクスルが長すぎるようになってしまう.つまり,Lynskeyに限らず,ディスクブレーキ車の後輪ハブを支えるラグは,みんなこれくらいの厚さがあることになる.まあ,ハブの部分だけ分厚くするという手もありそうだが.
2018年,リムブレーキのR260 接合部の厚さ6mm |
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2019年,ディスクブレーキのR280 接合部厚さ 8mm |
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ディスクブレーキの基台に厚さが取られる |
組み立てでもっとも苦労したのは、ブレーキホースとシフトワイヤーをハンドルの中に通すことです。片側2本ずつを狭い穴に通す必要があります。しかし、おかげで、とてもすっきりしたできあがりになりました。サドルに座った位置からは、ワイヤーが全く見えません。
ブレーキは、ちょっと遊びが多い気がします。ブレーキパッドをもっとディスクに近づければ良いのですが、そうすると、フレームに力がかかってがゆがんだ時などにブレーキに触ります。
リアディレーラは、簡単でしたが、フロントディレーラは、なかなかチェーン鳴りを止められません。
困ったのは、タイヤ、ホイールから空気が漏れていることです。ディスクレスは、多少漏れるのですが、これは漏れが多い。前輪を開けてみたところ、ホイールテープがさんざんになって隙間だらけでした。ホイルのスポーク穴から抜けたようです。タイヤを取り付けるときに、石けん水を使ったので、タイヤを付けた後で水分をとるために、タイヤをあちこち押したのがいけなかったようです。しかし、テープだけで空気漏れを防ぐのもどうなんでしょうか。後輪はまだましでしたが、漏れが速いことは間違いない。両方とも、チューブを入れることにしました。チューブを入れるとタイヤをはめにくくなるのですが、一回取り付けて伸びたせいか、簡単に装着できました。
2019年9月 | |
かっこいいですね。タイヤは、25ですが、 リムが高いので太く見えます。 click the photo to enlarge |
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筑波山、風返峠にて(440m) | |
2019年9月,とりあえずの完成後の週末に、小貝川に出かけました。まずは平地で様子を見ます。翌週は、筑波山の峠に行きました。下り坂で強いブレーキを試すためです。フレームは、十分な剛性があります。乗り心地は、R260より弾力があるように感じます。フレームはほとんど同じですから、タイヤ、ホイールの差でしょうか。荒れたアスファルト路面を超していくのが楽しいかも。
まず、この自転車はケーブルが見えなくてすっきりしていますね。ハンドルの動きも軽いし、可動域が広い。ハンドルの形が、前への飛び出しが大きく、かなり戦闘的です。さらにデュアルコントロールレバーの取っ手部分が大きく、前に飛び出ています。ブレーキオイルを入れるためにスペースが必要なのでしょう。それでさらに前に腕を伸ばすかっこうになります。手前のリラックスポジションがAeroスタイルで平らで握りにくい。もっとも、私は、この部分はほとんど握りません。体が起き上がって、風の抵抗が大きくなりますから。しかし、戦闘的すぎて、おじいさんには苦しいか。デュアルコントロールレバーRS505の握りは大きすぎます。手は大きい方ですが、カンパのワイヤー式のブレーキと比べると、図太くてかっこわるいし握りにくい。
問題のブレーキですが、強く締めると戻りが悪く、ちょっとパッドが触っている音がします。効きは、確かに、リムブレーキより良いです。がつんと効くわけではないですが、少ない握力で制動力があります。ワイヤーのロスが小さいからかもしれません。しかし、そこまでの違いか?カンパのブレーキとはほとんど差がないです。シマノのリムブレーキよりは、かなり良い。前輪を160㎜、後輪を140㎜としたが、違いは微妙に前が効く感じ。遊びの調整はどうやるのでしょうか?
ディスクブレーキのおかげで、リムがブレーキとは無縁な形になりました。リム鳴りもしませんし、洗車するときは簡単でしょう。アクスル(車軸)が太くなって、フォークの穴を通すようになったことは、ディスクをパッドの間を誤差なく通すため、精度を上げるために必要な措置だが、車輪の付け外しが面倒になった。クランプを緩めたり締めたりがなくなって、忘れないことはよいことかも。
11月1日には、総走行距離が250kmに達しました。峠の下り坂でブレーキをよく使ったせいで、パッドの当たりが出てきたようで、ブレーキの効きがよくなりました。リムブレーキの自転車と乗り比べると、明らかに小さい握力でよく効きます。その代わりに、ブレーキレバーの握りが太く、前への突き出しが大きいのが気になります。30㎜位前に出ているのではないか?ステムは、ふつうは100㎜くらいを使うのですが、60-80㎜くらいにしておくのが適当でしょう。この自転車は、80㎜ですが、リムブレーキ車より前傾がきつくなりました。サドルの位置も、10-20㎜くらい前に移動させたほうがよさそうです。全体に、前よりに重心が移りました。
2020年5月,走行距離が1000kmを越え,ブレーキとディレーラの再調整をする.フロントブレーキのパッドとディスクが,わずかに接触していたが,だんだん接触が増えてきたようで,シュッシュという音,フワーンという音が聞こえることがある.パッドを外してみたが,バネも適切に効いており,片減りしているわけでもない.接触状態をよく見ると,ディスクとパッドの隙間が左右で微妙に違う.どうすればよいのか.バッドを支える基台は,フォークにネジ止めされているが,そのネジは若干の遊びがあり,2ミリずつくらい寄せられる.2本のネジを緩めて,車輪を回転させて摩擦が全くなくなる点を探す.かなり微妙だが,数分やっているうちに摩擦のないポジションが見つかった.自転車にまたがって体重をかけると,フォークがわずかに撓んで,また接触する可能性があるが,大丈夫だった.これで摩擦のない状態を取り戻せた.ディレーラは,調整をやり直した.カンパニョーロより調整が難しいように思う.アウターでは,1速および11速では若干のチェーン鳴りが残るが,あんまり使わない組み合わせだからよいことにしよう.クランク側の板は,1枚で後ろ12速のシステムが魅力的に思えてくる.