e-bike Welb (2023)
Aug-2023
Penguin!! 松井俊浩
e-bike の選択
2023年4月から、通勤経路の一部、荒川河川敷、通称荒サイの片道9kmほどを自転車で通うことにしました。この道は、かなり広く、ほぼ一直線で、自動車は全く通らず、快適なのですが、唯一の問題は、風がけっこう強いこと。海が近いので、陸が太陽熱で暖まると、必ず海から北に向かって風が吹く。朝の通勤は必ず向かい風になって心が折れる。それで最近はやりのe-bike
はどうかと考えた。e-bikeは、いわゆる電動アシスト自転車なのだが、ままチャリ型よりはスポーツバイク風であり、電動パワーに頼らない自転車としてもけっこう走れる。以下の自転車を検討した。
- Naici-C2
- まだ持っていないタイプの自転車として、折りたたみ小径車だったらこれはいいかもと思った。honbike なんていうシャフトドライブ式のかっこいい折りたたみ電動自転車もあるね。しかし、これまでの経験では、折りたたんでどこかに持って行くとは考えにくい。そもそも、e-bike
は、ロードバイクに比べて倍くらいの重さがあるので、輪講袋に入れて運ぶのははばかられる。どのみち自動車に乗せて運ぶのなら、普通のクロスやロード型の方がよい。
電池切れになったときに自力で進むには、小径車はつらかろうとも思う。
- Vanmoof-S3
- オランダからの輸入車で高身長限定。未来的なスタイルでとてもかっこいい。24km/h 制限がなくてスピード出せるというような情報もあった。泥よけが付いている。
スマートフォンのアプリケーションでサイコンのようにできる。504Whの電池は、36Vだと14Ahだからかなり大容量であるが、
フレーム内蔵式。内装式4段変速。油圧式ディスクブレーキ。ハンドルがレトロというかちょっとままチャリに近いが、
実はこの形状は身体に優しい。価格が50万円近いというのが大問題。通勤に使うと盗難の危険もあるので、あまり高いのは避けたい。
それに輸入品は、このところの円安で割高に感じる。
- Besv-JG1
- ロードレーサー型だが、タイヤが38と太く、はやりのGravel仕様である。電池はやはりボトムチューブに内蔵させているが、つちのこ型で電池が入っているとわかる。アルミフレーム、カーボンのフォークで車重15.8kgは、ほぼ最軽量である。ドライブトレインが、フロントシングル44T、リア11速11-42TのシマノGRX-11sというのは筋金入りで、アシストなしの自転車としてもポテンシャルが高い。電池は、36V,
7Ahと標準的で、航続距離は105kmと40kmとなっているのは、2種類のアシストモードがあるのだろう。ブレーキはやはり油圧式ディスク。
とてもよいのだが、価格39.8万円は通勤用としては負担が大きい。まじめなサイクリング用としては第1候補になりそうだ。
- Panasonic, Bridgestone, Yamaha
- 電動アシスト付きままチャリの販売台数の多いメーカー製。ときどき、お昼頃都内の公園を通りかかると、お子さん連れのお母さん方の集団が数十台の電動ままチャリを並べて
駐輪しているのを見ることがある。子供の養育には欠かせない交通手段になっている。しかし、重すぎる。チャイルドシートを2つ装着することを前提に作られており、重い自転車の航続距離を伸ばすためにさらに重くなっており、30kgを越える物もあるようだ。これら国産メーカーもクロスバイク型も作っているが、やはり重く、価格も高い。
クラウドファンディングで始めたベンチャー企業がいくつも意欲的な新型を出している。サイクルモード東京のレポートhttps://www.youtube.com/watch?v=EtjWZlhiQmY などを見るとよくわかる。それで、結局、Welbのクロスバイク型のe-bike
https://welb-bicycle.com/ を選んだ。アベントゥーライフ株式会社と言うらしい。気に入ったのは次のポイントだ。
- バッテリがフレーム内蔵なので電動アシストに見えない。駐輪場に放置するときは目立たない方が良い。
- バッテリ容量が6.8Ahと少なめ。私ももう80km以上遠出することはなくなった。通勤には、30kmあれば十分。
- 航続距離より軽いことが重要。16.8kgというのは許容できる。
- タイヤが25x700c と細い。
- 価格が20万円を切る
一方、次の点は、売りになっているようだが、私には特段魅力ではなかった。
- ハンドル、サドル、ホイルなどを交換してくれて好みにカスタマイズできること。高額すぎてとても使う気になれない
- コネクティッドだと言ってアプリから指紋認証でロック解除できるなど。実際は開発、展開が追いついていなくてまだ入手不能。
- 充実したフォローサービス;修理やカスタマイズは自分でできる。ただし盗難補償はうれしいかもしれない。
- 色とサイズ展開が不十分。グレーや黒は美しくない(目立たない方が良いと言っておきながら...) 。
他のe-bikeにくらべてコストパフォーマンスが良いという印象がある。インターネットで注文すると2週間ほどで届いた。色はグレーか黒、サイズは500mmしか選択できなかった。ハンドル、ペダル、サドル、前輪はばらばらなので自分で組み立てなければならない。電池は充電されているようで、そのままこぎ出せる。
Welb の仕様
Webサイトには以下の仕様が記載されている。
最高アシスト速度 |
24km/h |
航続距離 |
45-100km |
電池容量 |
36V 6.8Ah |
充電時間 |
3-4時間 |
車両重量 |
16.8kg |
フレームサイズ |
500㎜(168~180㎝)、470㎜(~168㎝) |
フレーム材 |
アルミニウム |
耐荷重 |
120kg |
タイヤ |
700c x 23~32 |
モーター |
250W |
変速段数 |
9速 |
ブレーキ |
ディスクブレーキ |
クランク |
アルミニウム |
普通、ロードバイクを買うときは、コンポーネントがどんなグレードなのか書いてあって、Ultegra, 105, Tiagra などのグレードと価格で選ぶのだが、e-bike
にはその辺りが何も書かれていない。唯一あったのは、リアディレーラは、シマノSoraに交換できるオプションがあるということだった。
ということは、全体にSoraにも及ばないパーツが使われていることが推測できる。まあ、e-bikeは、人間力を期待していないということなのだろう。
それから、フレームが2サイズしかないというのも、e-bikeらしいアバウトさの表れだろう。
人間のパワーが効率よく出せることなど期待していないので、身体にあったフレームを用意するつもりがないのだ。耐荷重が120kgと大きいのは、バッテリーなどで車重が重いせいかもしれないが、かなり安全サイドに振ってある。価格は上がるだろうがコンポとフレームであと2kgくらいは軽くなりそうだ。
ホイールのことは何も書いてない。クランクの材質はアルミと書かれている。
ブレーキが、ディスクなのはこのごろの流行りだが、リムが金属製で、機械式ディスクなら、リムブレーキの方がホイールの付け外しが楽で良いだろうにと思う。
というように、購入時、Webサイトから得られるカタログ的な情報はごく限られている。Youtubeにいくつか紹介ビデオが出ている。多くは、アシストがどれくらい効くか、航続距離はどれくらいかに焦点が当てられていて、コンポには言及がない。
初めから、足で自転車を漕ぐことには興味がないようだ。
走行動画を見ると、街中の交通量の多い通りを走る場面が多く、ロードバイク乗りが敬遠するような環境ばかりだ。
e-bikeの乗り手というのは、経験値の高い自転車乗りではなく、通勤かちょい乗り目的が多いと言うことなのだろう。
Welbのコンポーネント
- リアモーターハブß
- モーターは、フロントハブ、リアハブ、あるいはBBに付ける方式があるが、Welbは、リアハブに付いている。
スプロケットに隠れてモーターの大きさが見えないのがメリットだろうか。
重心が後ろにずれて、バイクラックにサドルで吊るそうとすると、前輪が上がってしまう。
モーターをBBに付けると、車輪との間にギア、チェーンが入るので、変速機の影響を受ける。
リアにつけると、ギアが何速かに関係なく、モーターパワーを決められる。
足が出しているパワーを計測し、それに速度で決まる係数をかけてモーターパワーを決めているのだと思うが、
トレーニング用に売られている脚力のパワーメーターというのストレインゲージを使う精密部品で、通常はかなり高価である。
どういう制御をしているのだろうか。
しかし、32Tのスプロケットより大きな直径があり、結構なボリュームがあって重そうだ。
仕様では250W となっているが、本体を見てもブランド名は書かれていない。
- 電池
- LIBで36V, 6.8Ah というのは、数十キロの航続距離があるようで、街中のちょい乗りや通勤には不足がないだろう。
大きく・重くなるよりは、適当なサイズと思う。
私のいつもの巡航速度は27-28km/h なので、そこまで出すと電池を使わなくなる。
そうでなくても20km/h以上は出ていることが多いので、やはり電池の消耗は少ないと推測する。
発進・加速も短時間なので航続距離への影響は少ないだろう。
影響するのは、速度が落ちて、長時間続く、上り坂と向かい風であろう。
逆に、航続距離が短いと言うことは、アシストがよく効いていると言うことになる。
電池は、フレームのボトムチューブに内蔵されていて、ユーザーには交換不可能である。
600-900回の充放電で寿命になるから、工場に送ってくれれば交換してくれるという。
600回というのは、週に1回充電するとして、10年ある。
1回の充電で50km走行するとして、600回で3万kmだから、まあ、交換することはないだろう。
埋め込み型の問題は、バッテリーを外して、家やホテルの中に持ち込んで充電することができないことだ。
これも、私の場合は通勤で生じる問題ではないので、無視できる。
- 変速機
- 仕様には、ギアの歯数は書かれていない。こういうところが素人っぽい。
数えてみると、チェーンリングは44T、9速のカセットスプロケットは、11-32T であった。
アシストを効かせるのであれば、変速機は重いギアに入れっぱなしでもかまわない。
Welbのアシストは、変速機の後ろ、後輪を直接回すので、ギアの選択は走りに影響しない。
アシストが切れた状態では、また、長い上り坂では変速比が重要。多くの場合、24km/h
以上は出さないのだから、フロントのチェーンリングは、さらに4T軽い、40Tくらいの方が良いだろうと思う。
それから、フロント・シングルの場合、チェーンがはずれないようにナロー・ワイドのチェーンリングを使うのが常識だと思っていたが、そんな上等なものは使われていない。かわりにズボンの裾がよごれないようにカバーが付いているのは、クロスバイクらしい配慮を感じる。リアスプロケが、比較的ワイドレシオになっているのはありがたい。9速しかないので、トップ側でも11-13-15T と、2T飛びになっている。
シフターは、右手の人差し指がシフトアップ、親指でシフトダウン。
ギア位置を示すインディケータは、まあ、正しく表示する。
シフトダウンは、強く押し込むと、ワンアクションで 4速変わるのはありがたい。
- 車輪とタイヤ
- 25のタイヤは、WTBのThickslickという名前のスリックで、4.5-7.5Barと書かれている。使ったことのないメーカーだが、評判は悪くないようだ。この手のバイクにしては細いので、抵抗は少なく、よく走るが、乗り心地はよくない。
フレームがかなり重量級のアルミと言うことも堅い乗り心地に影響しているであろう。
車輪は、驚くべきことに、リムが高い、高速タイプである。24km/h が最高速であるユーザーが多いことを考えると、無意味な高級仕様だと思う。
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WILDERNESS TRAIL BIKES TREAD DESIGN と刻印がある、WTB Thickslickタイヤ |
- フレーム
- 材質はアルミ合金(ジュラルミン)。500㎜にしては大きく感じる。ボトムチューブに電池が入っているので太いが、アルミバイクにはよくあるバランスと言えるだろう。
色は、黒とグレーとシルバーがあるようだが、どれも地味で楽しくないが、今回は目立たないことを優先した。
残念なのは、ボトルケージを取り付けるねじ穴が空いていないことだ。
長距離ライドは初めから眼中にないようだ。一つの理由は、ボトムチューブに電池が入っているので、ネジが中に飛び出しては困るのだろう。
しかし、そうすると、シートチューブにも電池が入っているのだろうか。ボトムブラケットで2つを分断して、電気的には接続しているのだろうか?
とにかく、ハンドル辺りか、サドルバッグににボトルをくくりつけるようにしなければならない。
- 反射板
- ハンドルとシートポストに2つ、反射板が付いている。法的に、付けなきゃならんのだよね。
しかし、シートポストには、サドルバッグを付けるから邪魔にしかならない。シートステイに付くタイプの反射板にして欲しかった。
- サイコンのような制御器
- 電源投入後、上向き・下向きの矢印で、アシスト量を1-5まで選べる。強くすればアシストが増えるが、24km/hで切れることは違いない。
電源ボタンを短く操作すると、表示モードが、現在速度、平均速度、最高速度と入れ替わる。同時に、上の副表示情報が、現在時刻、トータルタイム、走行時間と切り替わる。
下側の副表示情報は、総走行距離(odo)、走行距離、電池電圧と切り替わる。電池電圧(vol)は、充電直後は41Vほど、放電中は39Vくらいになるが、
36Vよりは10%以上高い値を示している。電池残量は、左上の電池マークで表示されるが、4段階しかない。百分率で示すほどの精度が出ないのだろう。
Youtubeでのメーカの人の説明では、最初の1コマ目が減り始めるのは、50%位消耗した頃ということだった。この表示器は、視野角が狭くて見にくい。スマフォとの連携を推し進めて欲しい。
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アシストレベル3を選んでいる。 |
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- ブレーキ
- 機械式ディスクブレーキはよくきくしコントロールもしやすいが、キーキー鳴る。ブレーキの引きしろの調整はよくできている。
- ハブ
- 前輪ハブが普通のクイックハブというのが不思議。ディスクブレーキの場合は、もっと太い心棒を使うのだと思い込んでいた。
まあ、そういうホイールなんだね。
リアハブモーター方式は、ホイールを交換できなくなる。タイヤをチューブレスにしようと思っても、たぶん、できない。
パンク修理のために後輪をはずすのもちょっと大変なことになる。スプロケットの交換はできるのだろうか?
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リアハブモーター |
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- ハンドルとグリップ
- クロスバイクによくある、一文字式のストレートバーハンドル。グリップは柔らかい素材。長すぎるので、かなり強く手を内転させなければならず、
長距離走行では手が疲れそうだ。ブルホーンを付けるか、ドロップハンドルに換装するか?
- ペダル
- 軽量型の普通のペダルが付属している。ベアリングの質が悪いのか、回転が重い。SPDペダルに交換しようと思う。
- 充電
- ボトムチューブの上の方に直接プラグを差し込まなければならない。コンセントは床上15センチくらいのところにあることが多いから、
このソケット位置は、ボトムブラケットの近くの方が使いやすいのではないか。
- サドル
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鋲をうったような、皮ににせたようなレトロなサドルが付いている。
真ん中が盛り上がっている。そこが痛いから、真ん中に隙間を開けた
サドルが多いのに、痛そうなデザインである。
実際、とても痛い。すぐに交換した。
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トラッドな感じのサドル。
すぐにお尻がいたくなるので、交換した。
ペダルもSPDに交換した。 |
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速攻でSMPのサドルに交換した。鞍は、角度が変えられないし、前後の調整幅もほとんどない。いずれサドルポストも交換ですね。 |
- ボトムブラケット
- Qファクタが大きい。上のサドルの写真でBBとクランクの間に15㎜くらいの隙間が無駄に空いていることがわかる。
不動峠サイクリング
2-3回ちょい乗りした後、筑波山の不動峠に出て見た。自宅から不動峠の登り口までは約14km、峠の頂上まで約4km、そこから表筑波スカイラインに沿って尾根を南に5kmほど下り、朝日峠で下界に下りて、自宅に帰る32kmほどのコース。坂道でアシストがどのくらい効果があるか、電池は持つのか、アシストレベルを変えるとどのように違いが出るかを見たい。
平地は、レベル1-2で進んだ。無風の平地ではアシストは不要と思っていたが、スピードの上昇が、アシストの切れる24km/hくらいで止まるところをみると、そこまではアシストが有効に効いているのだとわかる。10km/hくらいまでは、モーターというかギアの音も聞こえて、確かに引きを感じる。
上り坂にかかると、アシスト不足を感じてレベル3にした。不動峠は、入り口と頂上付近が最も斜度が大きいのだが、入り口を簡単にクリアでき、明らかな効果を感じた。不動峠にはサイクリストがたくさん集まるが、今日は暑いのとまだ朝早いのでそう多くはない。それでも、屈強なロードバイクを2台抜きましたよ。これは快挙!スピードは、15km/h
位出ている。このごろ、素の自転車で登るときは、10km/h がやっとなので、ずいぶんアシストしてもらっていることになる。Welbは、電動バイク然としていないので、抜かれたローディは、「どうしてあんなじいさんのクロスバイクに抜かれるんだろう?!」と不思議がっているのではないか。峠の頂上部では、アシストを4にし、さらに5にした。傾斜は10-15%あるが、アシストを強めるとなんなくクリアできる。いつもは、斜面をジグザグに走るのだが、直登できた。
表筑波スカイラインに出ても上りが続く。電池のインディケータはここまで変化していないが、1kmほど走ったところで、1コマ消えて3コマになった。1コマ消えたら電池は半分消耗したと思えとのことなので、300mの峠を登り切るだけで3Ahほどを消費してしまったことになる。今日の32kmほどのコースは大丈夫だが、八郷に下りて岩瀬まで行く、あるいは風返し峠からつつじヶ丘駐車場まで行くと、ほぼ電池を消耗しきることになるだろう。アシストを4とか5にするのは慎まなければならない。次回は、不動峠を2で登り切るくらいでやってみよう。
朝日峠まで、上りと下りがある。上りはアシストで楽に上れるが、下りは空走する。その速度が、素のロードバイクより速いような気がする。物の質量で落下速度は変わらないはずだが、空気抵抗まで考えると、(比重が)重い物の方が速くなるのだろう。朝日峠の手前では、またかなり急な上りになる。その後、朝日峠を4kmほど下るのだが、カーブの前にはスピード抑制のためのハンプが付けられている。下りでハンプに突っ込むのは、素のロードバイクでもがたがた揺れて危ないが、Welbは重量が大きいので、揺れ、ショックがさらに大きく感じる。下り速度は、ロードバイクより抑制的にせざるを得ない。Welbは、e-bikeとしては軽めの自転車だが、ロードバイクに乗り慣れた身からすると、鈍重な動きをする。ひらひらと自転車を操縦する楽しみとは縁遠い。
ブレーキはよく効く。ディスクブレーキにするなら油圧式が良いのだが、ワイヤ式でも効き目は良い。前も後ろも、ディスクがキーキー鳴りますね。坂を下っていると、ブレーキを多用して、エネルギーを熱に変えている。回生ブレーキが欲しくなる。アシストが効いていないときは、モーターと車軸は切り離されているのだろうか。ブレーキでこれをつないで、発生する電力で電池を充電するわけだ。平地を走っているとあまり強いブレーキをかけないから感じないが、山道ではもったいないと思う。
朝日峠を下りきり、しばらく行くと電池インディケータはさらに1コマ減っていた。自宅に帰着するまで同じだったが、そのまま走ったら45kmくらいで放電しきったのではないかと推測する。平地だけなら、もっとずっと距離が伸びたろうし、上り坂でアシスト量を減らしていたら、5-60kmくらいまでは伸びたろうと思われる。しかし、電動アシスト車に乗りながら、アシスト量をけちるのであれば、最初から素のロードバイクで行く方が気持ちよいだろうね。なかなか難しい。
ケチケチアシストで再度の不動峠と岩瀬まで91kmサイクリング
前回、アシストの効果を見るためにアシストモードを3-5にしたせいで、航続距離が短く、40kmほどになってしまった。峠道を交えて40kmなら宣伝通りとは言えるが、サイクリングとしては物足りない。アシストを抑えたケチケチモードでどのくらい足を伸ばせるか試してみよう。コースは、自宅から不動峠を越えて八郷から岩瀬を回ってリンリンロードから帰る90kmほど。この15年で20回以上走っているが、この頃は、70km以上走ることは少なくなり、週末に走るコースではほぼ最長なので、これをアシストできれば満足である。Welbの装備は、若干変えている。1つは、ペダルをSPDにしたこと。かなり走りやすくなった。それから、ボトルを運べるサドルバッグをつけた。ハンドルバーにもボトルをつけられるようにしたので、都合ボトルは2本運べる。サドルバッグには、携帯工具とパンク修理の道具を入れた。トップチューブにも小さいバッグをつけて、スマフォや財布を入れた。それから、ハンドルバーの右端には、バックミラーを付けた。
区間 |
距離 |
標高、傾斜 |
アシスト |
電圧 |
自宅ー不動峠入り口 | 14km | 20m, 0% | 0-1 | 41.0 |
不動峠 | 4km | 300m, 6-8% | 0--2 | 40.5 |
表筑波スカイライン | 5km | 300→440m, -5-8% | 0--2 | 40.0 |
風返峠ー湯袋峠ー八郷 | 6km | 440m→40m, -7% | 0 | 40.5 |
八郷ー岩瀬 | 20km | 40m, -4〜6% | 0--2 | 39.0 |
岩瀬〜猪瀬製麺(真壁) | 12km | 40m, 0% | 0〜1 | 38.0 |
真壁〜北条 | 15km | 40m, -4〜6% | 0--2 | 37.5 |
北条〜研究学園 | 18km | 40m, -4〜6% | 0--2 | 36.4 |
アシストは、1がほとんどで、たまに2にする。3以上にはしない。それどころか、24km/h以上ではアシストは切れるし、平らなところでは、24km/h以下でも0に落とした。アシスト1はどれくらいのアシスト量かというと、不動峠の数%の坂道をアシスト0で登っていて、傾斜が急(8%程度)になり、スピードが10km/hから8km/h
に落ちたところでアシストを1にすると、10km/h に戻るくらいである。自転車と体重合わせて100kgあるとして計算してみると、6%で163W、8%
で217Wとなった。モーターの最大出力が250Wなのに、アシスト1で200Wも出るというのは、錯覚だろう。しかし、アシスト1でもかなり楽になると感じる。平地では、24km/h
でアシストが切れると、ペダルが重くなるのを感じる。
とにかく、こうしてケチケチしてアシストを使うと、メーター上での電池の減りは少ない。電池残量は、4レベルの表示しかないが、電池電圧は0.1V単位で表示してくれる。36V電池なのだが、充電直後は41Vある。アシストを効かせていると徐々に電圧が低下する。36.5Vくらいになると、電池残量表示が1コマ減った。リチウムイオン電池の放電特性グラフ、例えばこれなどみるとhttps://note.com/baysun_bstory/n/n27d42710834c 確かに充電直後は4.1V、放電の中央あたりが3.6Vくらいになる。温度が高い方が有利のようですね。
アシスト0で走るのは、重いクロスバイクを人力で走らせるのと同じである。ギアをうまく使えば30km/h くらいは十分に出せる。
それ以上は、乗車姿勢が突っ立っているので、風の抵抗が強くなって大変になってくる。ドロップハンドルに交換することを
想像しながら走った。
ケチケチモードでの航続距離は120kmくらいにはなること、平地だけならおそらく150kmも不可能でないことが
わかった。しかし、Welbは、長距離ライドには向いていないように思う。まず、乗り心地が悪い。フレームが重くて硬い
せいだと思うが、小さな段差でも振動がガツンと伝わってくる。腰を浮かさなければならないことが多い。
サドルの質も良くない。K.san というブランドだが、廉価品だろう。古い、中央が盛り上がった
タイプなので、お尻が痛くなる。交換候補品。
もう一つ、ハンドルグリップの質が悪い。ふにゃふにゃで、ハンドルバーの硬さが伝わってくる。
要交換。
ストレート・ハンドルは、腕が内転するので、痺れてくる。
でもハンドルを替えるのは、高価なシフターを買わないといけないし、
ワイヤーは張り直しになるから、かなりな手間がかかる。
L-Twoo A5 という聞いたこともないシフター、ディレーラが使われている。
セットで1784円という異常な安さ。
https://ja.aliexpress.com/i/1005003339930616.html
ギアにはシマノと同じような波がついている。
おそらく訳もわからずシマノをそっくり真似したのだろう。
シフト性能が悪いとは思わないが、チェーンも含めて、耐久性はわからない。
電動アシストe-bike は買うべきか?
- 電動アシストで楽に走れるのは間違いない。36V-6.8Ah とは、245Whであり、880kJ、約210kcal のエネルギーということになる。4時間ほどサイクリングすると、7-80km走れて、1200kcalくらいは消費するが、効率30%として360kcal、その210kcal分、楽できると言うことは2/3 は補助動力ということ。汗の量が半分になるということだ。これはたいしたものだね。ところが、上記の不動峠サイクリングのあと、やはり疲労を感じて昼寝してしまった。疲労回復が早くなったのだろうか。
- 楽に走れるのはありがたいが、おっととっと、私は何のために自転車に乗っていたのかと考えると、単純には喜べなくなる。大金を使って、身体を鍛える、健康を維持する機会をわざわざ失ったとも言える。この消失感、虚無感は、かなりのダメージになる。峠道を苦労して上っているロードバイクを尻目に鼻歌交じりで坂を上れたとして、それは劣等感につながるということだ。やはり、このe-bike は、もっぱら通勤に使おうと思う。
- e-bike は、人力と電池の力で走るのだが、電池への期待が大きいほど、人力で進む自転車の機能への期待が薄れる。今後、電池容量が増え、モーターパワーが増え、ひょっとして24km/h の制限が緩くなったりすると、だんだん自転車からオートバイに寄っていくことになる。自転車としての基本性能であるフレームの柔軟性、車重の軽さ、ホイルの軽さ、変速機の段数や変速性能、チェーンリングを楕円にすることなど、だんだんどうでも良くなっていく。寂しい限りだ。
Welbの印象
- Webサイトで見て、電動アシスト車に見えないのが気に入ったポイントだが、実際、普通のクロスバイクのように見える。取り立てて高級車にも見えないのはよい
- 電動アシストは、実感できる。5段階変えられるのも良い 。9速のドライブトレーンは適当で、24km/h以上での巡航にも電動だからと言って取り立てて大きな抵抗が生じることはなく、普通の重いクロスバイクとして使える。時速24kmに達するとアシストが消えて漕ぎは重くなるので、自然と23-25km/hあたりの速度に落ち着く。
- 電池容量はちょうどよい。正確には、ロングライドには不十分だが、通勤には十分すぎる。私は通勤目的で買ったので、これで十分である。ロングライド用は別途考えるかもしれないが、24km/h
制限があるので、電動でサイクリングに行くことはやめるかもしれない。
- 欠点は、e-bikeとしては軽い方のはずだが、実際は重いこと。カーブをひらひらいなしていく感じがしない。自転車は手軽な乗り物で、駐輪場でも他の自転車に引っかかれば、ひょいと持ち上げて動かしたりする。それがしにくくなる。サイクリングの途中でコンビニや休憩所に寄ると、最近はサイクルラックが準備してあることがよくある。そこにひょいとサドルを引っかけようとして、とてつもなく重く、さらに前後バランスが悪くて前輪が地面に付かないことに気がついた。高級自転車の自慢ポイント第一は、軽いことである。情けなかった
- 19万円というのは、e-bike として高いのか安いのか?36V、7AhのLiBというのは、Amazonで2.5万円くらいで買える。250Wのリアハブモーターは、1.6~2.5万円で買える。電動化にかかるコストは、7万円くらいではないか。すると、12万円くらいの品質の自転車に、7万円かけて電動化を施したということになる。GIANT Escape RX2 Disk https://www.giant.co.jp/giant23/bike_datail.php?p_id=00000090 などが近いスペックかと思うが、このGiantは、定価¥91,300である。重量は10.5kg。
- 結局、自分でサドル、ペダル、グリップを付け替えた。シートポストも付け替えたい。 BBのQファクターが大きすぎてがに股乗りになる。シフター、ブレーキは、このまま使うつもりだが、聞いたこともないメーカー品で耐久性が心配。
モーターも電池も生産国はわからない。ホイールは、リムハイトの高い高速仕様だが、この程度のe-bikeで効果あるのか疑問。それにしては、スポークの本数が36本と多い。私のロードバイクは、24本、18本、16本などである。総じて、
コンポーネントの品質は、低い。
- 乗り心地が悪い。頑丈なアルミフレームが、アスファルトのひび割れを全部伝えてくる。タイヤが25というのもこの重量の自転車にしては細すぎるのではないか。
- 600㎜もあるフラットバーハンドルは、使いにくいし、肩が痛くなる。実際、ロングライドでは手がしびれてくる。
-
これらは、カスタマイズできるメニューがあるが、どれも高価である。
変速機なしを選ぶと、+11,000円という具合だから、既定の仕様で組み立てた後、それを取り外してカスタムパーツを取り付けてくれるサービス
のようだ。実際、私はリアディレーラをSORAに替えてもらったのだがその価格は8,580円もする上に、既定のパーツが付属で
送られてきた。ディレーラを取り替えてくれるというより、二つ注文することになるのだ。
提案
- コンビニで充電したい。e-bike の電池電圧は36Vと48Vがあるようだ。コネクタの形を標準化してもらえれば、コンビニで充電器を用意して、30分100円とかで貸してくれるとありがたい。その間、コンビニで買い物するからいいんじゃないか。
- 回生ブレーキ。山道に行くと、下りで強いブレーキをかけるのがもったいない。
- 電流量表示 。電圧もいいが、電流を表示してくれれば、アシスト量がわかる。電池残量も計算できる。
- ANT+でGarmin Edge に情報を表示し、アシスト強度もGarminから制御できるようにする。Garmin は、アシスト強度の履歴を
記録できるだろう。Welbの制御ディスプレイは見にくいし、Garminを付けるとしたら表示が重複して無駄。
- アシスト量カーブ を可変に。10km/h以上では、リニアにアシスト量が減るというのは正しいのか?速度が増せば、負荷は増える。10km/h までがアシストマックスというのは納得がいかない。
- 24km/hでアシストが切れるというのは、残念至極。ぜいたくは言わないが、時速30kmまでアシストして欲しい。それができないのは、原付(原動機付き自転車)の最高速が30km/hだからではないか。免許の必要な原付と同じ速度までアシストが入るのはけしからんと?そういうことなら、原付の制限速度がいまだに30km/hというのが間違っていないか?性能的には十分なのだから、40km/hまでは認めるべきだろう。排ガス規制に適合できないから、原付を125ccにするという案もあるくらいだから。
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